電子カルテ導入で実現する「探し物ゼロ」の働き方
「あの子のカルテ、どこだっけ?」「ワクチン記録、何年の分まで出てる?」
診察室や受付で交わされる、そんな“探し物”の会話。
一件一件は小さな手間かもしれませんが、それが1日10件、20件となれば実はかなりの時間と労力が奪われています。
紙カルテが“当たり前”だった時代は終わりつつあります。
今、全国の動物病院で電子カルテが導入されている理由の一つが、「探さないで済む」診療環境の実現です。
【紙カルテあるある】「探し物」で時間が溶ける
- 保管棚の中から、似た名前のカルテを何度も確認
- 診察中に「前回の診療はどこに書いたっけ?」とページをめくる
- 退院後の子のカルテを保管庫まで取りに行く
- 手書きの記録が読みにくくて、スタッフ同士で解読会
すべてが“探す作業”に含まれます。
1件1分かかるとしても、1日20件なら20分。1ヶ月で600分、つまり10時間が“探すだけ”に使われている計算です。
【電子カルテなら】「探す」は「検索」に変わる
電子カルテでは、診療履歴・ワクチン記録・検査結果・画像・処方歴などがすべて患者ごとに紐づいて管理されます。
「名前」「診察日」「薬剤名」などで即検索・即表示できるので、物理的に探す手間がゼロに。
「診察に集中できる」「診療の流れが途切れない」
これが、“探さない”ことがもたらす最大の価値です。
【チーム全体で変わる働き方】
探し物がなくなると、以下のような効果が生まれます。
- 受付: 飼い主さんを待たせる時間が減り、対応に余裕ができる
- 診察室: 過去の診療が即時に見られるため、症状の比較や判断がスムーズに
- スタッフ間の連携: 情報が一元化されているため、伝達ミスが減る
- 新人教育: 「どこに何があるか」よりも「どう診るか」に注力できる
【心の余白も増える】
探し物がなくなると、スタッフ全員の表情が変わります。
忙しさに追われていた時間が、患者との会話やケアに使える“余白”に変わるからです。
飼い主さんとの信頼関係も深まり、リピート率も自然と向上します。
「探さない」は、いちばん簡単な業務改善
紙カルテの煩雑さに慣れてしまっていませんか?
でも、本来そこに時間を使う必要はないはずです。
探さない=ミスが減り、効率が上がり、ストレスもなくなる。
電子カルテの導入は、大掛かりな業務改革に見えるかもしれませんが、
最初に得られるのは、シンプルでわかりやすい「探し物ゼロ」の働き方です。
毎日の診療を少しでもラクに、ミスなく、気持ちよくするために
電子カルテは、今日からできる最も現実的な第一歩です。